
「肩がこってくると、いつも頭まで痛くなるんです」
「夕方になると肩が重くなって、頭も締め付けられるように痛くなります」
「肩を揉んでもらうと少し楽になるけれど、また頭痛が出てしまいます」
このようなお悩みはありませんか?
実際に当院でも、お客様から
「肩こりで頭痛まで起こるのはどうしてですか?」という質問をいただくことがあります。
肩こりだけでもつらいのに、頭痛まで起こると、仕事や家事に集中できなかったり、休日もゆっくり楽しめなかったりしますよね。
特に、デスクワークやスマートフォンを見る時間が長い方の中には、
首や肩の重さと頭痛を同時に感じる方もいらっしゃいます。
そんなとき、「肩がこっているから頭痛になるのかな?」と考える方も多いのではないでしょうか。
実は、肩こりと頭痛には関係がある場合があります。
しかし、すべての頭痛が肩こりによって引き起こされるわけではありません。
今回は、肩こりと頭痛の関係、頭痛が起こる仕組み、症状を和らげるためにできること、そして整体院で大切にしている身体の評価について、わかりやすく解説します。
1. 肩こりがあると頭痛も起こるのはなぜ?
結論からお伝えすると、
肩こりと一緒に頭痛が起こる背景には、首や肩、頭の周囲にある筋肉の痛みと、痛みを伝える神経の働きが関係している場合があります。
その代表的なものの一つが「緊張型頭痛」です。

緊張型頭痛は、頭の両側が締め付けられるように痛むことが多い頭痛です。
例えば、
「頭をベルトで締め付けられているような感じがする」
「後頭部から首にかけて重たい」
「肩がこってくると、頭全体が痛くなる」
といった症状がみられる場合があります。
緊張型頭痛の詳しい発症メカニズムは、まだ完全には解明されていません。
しかし、首や肩、頭の周囲の筋肉に圧痛がみられることがあり、筋肉などから生じる痛みの情報や、神経系の痛みへの敏感さが関係すると考えられています。
ここで知っていただきたいのは、
頭痛が起こる理由を「肩の血流が悪いから」といった一つの原因だけで説明することはできないということです。
肩こりと頭痛を同時に感じる場合でも、頭痛の種類や身体の状態によって、適切な対応は変わってきます。
2. 肩こりが頭痛と関係する3つの仕組み

では、なぜ首や肩の不調が頭の痛みと関係するのでしょうか?
身体の仕組みから、もう少し詳しく見ていきましょう。
① 首や肩の筋肉が痛みに敏感になっている
首や肩の周囲には、頭を支えたり、姿勢を保ったりするための筋肉があります。
代表的なものとして、僧帽筋、肩甲挙筋、後頭下筋群などがあります。
これらの筋肉は、頭や首、肩甲骨の動きに関係しています。
例えば、長時間パソコンに向かっているとき、頭や腕の位置を保つために、首や肩の筋肉は継続して働いています。
同じ姿勢が長く続くことで、筋肉の疲労や不快感が強くなることがあります。
また、緊張型頭痛がある方では、頭や首の周囲の筋肉を押したときの痛みが強く感じられる場合があります。
ただし、筋肉が硬いことだけで頭痛の原因が決まるわけではありません。
筋肉の状態だけでなく、痛みを感じる神経系の働きも含めて考えることが大切です。
② 首と頭は、痛みを伝える神経の仕組みでつながっている
首の痛みが頭に広がるように感じられることには、神経の仕組みも関係しています。
私たちの身体には、痛みや温度などの情報を神経を通して脳へ伝える仕組みがあります。
特に、首の上部から伝わる痛みの情報と、顔や頭の痛みに関わる三叉神経の情報は、脳幹から上位頸髄にかけての神経系で互いに関係しています。
このため、首の組織から生じた痛みが、後頭部や側頭部、目の周囲などの痛みとして感じられる場合があります。
このような仕組みは、首の病気や障害に関連して起こる「頸原性頭痛」を理解するうえでも重要です。
頸原性頭痛では、首を動かすことで頭痛が強くなったり、首の動きが制限されたりすることがあります。
ただし、首が痛いからといって、必ず頸原性頭痛というわけではありません。
片頭痛でも首の痛みやこりを伴うことがあり、症状だけでは区別が難しい場合もあります。
そのため、頭痛の特徴を詳しく確認することが必要です。
③ 睡眠不足やストレスなどが、肩こりと頭痛の両方に関係する
肩こりと頭痛を考えるうえで、もう一つ大切なのが日常生活です。
例えば、睡眠不足が続いたり、仕事で精神的な緊張が続いたりすると、身体の不快感や痛みを強く感じることがあります。
また、休息の不足や長時間の同じ姿勢などが重なることで、肩こりを感じやすくなる方もいます。
ここで大切なのは、
肩こりが必ず頭痛を引き起こしているとは限らないことです。
睡眠不足やストレスなどの共通した要因が、肩こりと頭痛の両方に関係している可能性もあります。
そのため、肩だけを揉むのではなく、普段の睡眠や仕事中の過ごし方なども確認することが重要です。
3. その頭痛、本当に肩こりが原因ですか?

ここまで肩こりと頭痛の関係について解説してきました。
しかし、ここで一つ注意していただきたいことがあります。
それは、肩こりがあるからといって、頭痛の原因も肩こりだと決めつけないことです。
頭痛にはさまざまな種類があり、
代表的なものとして「緊張型頭痛」と「片頭痛」があります。
この二つは、症状の特徴や適切な対応が異なります。
緊張型頭痛と片頭痛の違い
| 比較項目 | 緊張型頭痛 | 片頭痛 |
|---|---|---|
| 痛み方 | 締め付けられるような痛み | ズキズキする痛みなど |
| 痛む場所 | 両側に多い | 片側または両側 |
| 痛みの強さ | 軽度〜中等度が多い | 中等度〜重度が多い |
| 身体を動かすと | 通常は悪化しにくい | 悪化しやすい |
| 吐き気 | 通常は伴わない | 伴うことがある |
| 光や音への敏感さ | あっても限定的 | 伴いやすい |
これは国際頭痛分類第3版(ICHD-3)に基づく一般的な特徴です。
症状には個人差があり、この表だけで診断することはできません。
例えば、肩こりとともに頭が締め付けられるように痛む場合は、
緊張型頭痛が考えられます。
一方、肩こりに加えて、ズキズキとした頭痛や吐き気、光や音がつらいといった症状がある場合は、片頭痛の可能性も考える必要があります。
片頭痛が起こる際に、首や肩のこりを感じる方もいらっしゃいます。
つまり、肩こりが頭痛を引き起こしているとは限らず、頭痛の一連の症状として肩こりが現れている場合もあるのです。
頭痛を繰り返している方は、一度、脳神経内科や頭痛外来などで相談することをおすすめします。
4. 肩を揉んでも頭痛が繰り返されるのはなぜ?

「肩を揉んでもらうと、そのときは楽になるんです」
「でも翌日には、また肩が重くなって頭痛が出てしまいます」
このようなお悩みを持つ方もいらっしゃると思います。
肩や首の筋肉をほぐすことで、一時的に痛みや不快感が和らぐ場合があります。
しかし、頭痛にはさまざまな要因が関係しているため、筋肉をほぐすだけでは十分でないこともあります。
例えば、普段の生活で次のような状態が続いていないでしょうか。
- 長時間、同じ姿勢で仕事をしている
- 仕事中に休憩する時間が少ない
- 身体を動かす機会が少ない
- 睡眠時間が十分に確保できていない
- ストレスや疲労が蓄積している
こうした状態が続いている場合、一時的に肩が楽になっても、再び肩こりや頭痛を感じることがあります。
また、片頭痛などの別の頭痛がある場合は、
肩への施術だけで症状を十分に管理することは難しい場合があります。
だからこそ大切なのは、単に硬くなった筋肉を揉むことではなく、どのようなときに頭痛が起こり、何が症状に関係しているのかを整理することです。
5. デスクワークやスマホの姿勢も関係する?

デスクワークやスマートフォンの使用時間が長い方は、首や肩のこりを感じることがあります。
ここでよく知られているのが、「頭が前に出た姿勢」です。
頭が身体より前に出た状態が続くと、姿勢を保つための筋肉の働き方が変化します。
ただし、頭が前に出ている姿勢だからといって、必ず肩こりや頭痛が起こるわけではありません。
同じような姿勢でも、痛みを感じない方もいらっしゃいます。
大切なのは、一つの姿勢を良い・悪いと決めつけることではなく、その姿勢をどのくらい続けているのか、身体を動かす機会があるのか、実際に症状が変化するのかを確認することです。
例えば、
仕事中にこまめに姿勢を変えたり、短い休憩を挟んだりすることで、首や肩の不快感が軽くなる場合があります。
正しい姿勢を一日中維持しようとするよりも、無理なく姿勢を変えられることを意識してみましょう。
6. 肩こりと頭痛を和らげるために、自分でできること

では、肩こりと頭痛がある場合、日常生活ではどのようなことを意識するとよいのでしょうか?
ここでは、比較的取り入れやすい方法を紹介します。
ただし、初めての頭痛や普段と異なる頭痛がある場合は、セルフケアよりも医療機関での確認を優先してください。
① 長時間同じ姿勢を続けない
パソコン作業やスマートフォンの使用中は、定期的に姿勢を変えることを意識してみましょう。
例えば、30〜60分程度を一つの目安として、立ち上がる、少し歩く、肩を軽く動かすなどの休憩を取り入れる方法があります。
必ず決まった時間に休憩しなければならないわけではありませんが、同じ姿勢が長時間続かないようにすることが大切です。
② 首や肩を無理のない範囲で動かす
首や肩周辺の筋肉に不快感がある場合は、痛みを強めない範囲で軽く身体を動かしてみましょう。
例えば、次のような運動があります。
肩甲骨を動かす運動
両肩をゆっくり持ち上げ、後ろへ回して下ろします。
5〜10回程度、呼吸を止めずに行います。
首の軽い運動
正面を向いた状態から、首を左右にゆっくり回します。
痛みのない範囲でそれぞれ3〜5回程度行います。
肩甲骨を寄せる運動
背筋を無理なく伸ばし、肩甲骨を軽く寄せて3秒ほど保持します。
5回程度を目安に行います。
首を強くひねったり、勢いをつけて動かしたりすることは避けてください。
運動によって頭痛、めまい、しびれなどが生じる場合は中止し、医療機関へ相談しましょう。
③ 睡眠と生活リズムを整える
睡眠不足は、頭痛に関係する要因の一つです。
毎日できるだけ同じ時間に起きることや、十分な睡眠時間を確保することを意識しましょう。
また、食事を抜くことや水分不足などが頭痛に関係する方もいらっしゃいます。
特別な栄養素を大量に摂取することよりも、まずは規則的な食事と水分補給を心がけることが大切です。
④ 頭痛が起こるタイミングを記録する
頭痛を繰り返す方には、頭痛の記録をおすすめします。
例えば、「いつ」「どのような痛みが」「どれくらい続いたか」を記録することで、頭痛の特徴が整理しやすくなります。
以下の項目を記録してみましょう。
頭痛の記録チェックリスト
・頭痛が起きた日時と持続時間
・痛む場所と痛み方(締め付け・ズキズキなど)
・痛みの強さ(0〜10)
・吐き気、光や音への過敏さの有無
・睡眠、仕事、食事、月経周期などとの関係
・服用した薬と効果
こうした記録は、医療機関で頭痛の種類を判断する際にも役立ちます。
7. こんな頭痛は要注意!すぐに医療機関へ相談してください

肩こりと頭痛が一緒にある場合でも、すべてが筋肉の問題とは限りません。
次のような症状がある場合は、特に注意が必要です。
すぐに救急受診が必要な症状
- 突然、今まで経験したことのない激しい頭痛が起こった
- 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、意識の異常がある
- 発熱や強い首の硬さ、意識の変化を伴っている
- 頭痛とともに急激な視力の異常が起きている
このような場合は、脳血管の病気や感染症など、緊急性の高い病気が関係している可能性があるため、速やかに救急医療へ相談してください。
また、頭痛の回数が増えている、以前と痛み方が変わった、日常生活に支障が出ている場合なども、医療機関での診察をおすすめします。
ここでもう一つ注意したいのが、頭痛薬の使用頻度です。
痛み止めを頻繁に使用している場合、
薬剤の使用過多による頭痛が起こることがあります。
使用する薬の種類によって基準は異なりますが、
月に10〜15日以上、3か月を超えて頭痛薬を使用している方は、
医師や薬剤師に相談しましょう。
自己判断で無理に薬を中止するのではなく、適切な治療について相談することが大切です。
8. 当院では肩こりだけでなく、身体全体の状態を確認します
ここまで、肩こりと頭痛の関係についてお伝えしてきました。
当院でも、首や肩のこりとともに頭痛を感じている方からご相談をいただくことがあります。
その際に大切にしているのは、単に硬くなっている筋肉をほぐすことだけではありません。
なぜ首や肩に負担を感じているのか、
日常生活の中でどのような要因が関係している可能性があるのかを整理することです。
まず頭痛の特徴や医療機関での診断・治療状況を確認し、整体で対応できる範囲かどうかを考えます。
そのうえで、必要に応じて次のような点を評価します。
- 首や肩の可動域と、動かしたときの症状
- 肩甲骨や胸椎の動き
- 筋肉の緊張や圧痛
- 仕事や家事などでの身体の使い方
- 睡眠や運動習慣、食事などの生活習慣
- どのような場面で症状が強くなるか
例えば、
デスクワークが長く、肩こりを感じやすい方の場合には、首だけではなく、肩甲骨や背中の動き、作業環境なども確認します。
身体の動きに制限がある場合は、必要に応じて施術や運動を取り入れ、日常生活での負担を軽減できる方法を一緒に考えていきます。
ただし、整体によってすべての頭痛が改善するわけではありません。
片頭痛など医学的な管理が必要な頭痛もあるため、医療機関での治療が重要になることもあります。
当院では、医療機関での診断や治療を尊重しながら、身体の動きや生活習慣の面から、日常生活をより快適に過ごすためのサポートを大切にしています。

9. 頭痛に振り回されず、家族との時間や好きなことを楽しめる毎日へ
肩こりや頭痛の本当のつらさは、痛みそのものだけではないと思います。
「夕方になると頭痛が出て、仕事に集中できない」
「せっかくの休日なのに、頭が痛くて出かける気になれない」
「家族と出かけても、頭痛が起こらないか心配になる」
こうした日常生活への影響に、悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
頭痛が続くと、身体だけでなく、気持ちまで疲れてしまうことがあります。
しかし、頭痛の種類や関係している要因を知り、自分に合った対処法を身につけることによって、症状とうまく付き合いながら生活しやすくなる可能性があります。
大切なのは、その場だけ痛みを我慢したり、無理にやり過ごしたりすることではありません。
まずは、今の身体にどのようなことが起きているのかを知ること。
そして、必要な医療を受けながら、自分でできる身体のケアや生活習慣の見直しを積み重ねることです。
私たちが目指しているのは、単に肩のこりや頭痛に注目することではなく、
その先にある生活です。
仕事に集中できること。
休日に趣味を楽しめること。
家族との時間を、身体の不調への不安を少なくして過ごせること。

10. まとめ|肩こりで頭痛が起こる理由と大切なこと
今回の内容を振り返ってみましょう。
- 肩こりと頭痛には、首や肩周辺の筋肉の痛みや神経系の働きが関係している場合があります。
- 緊張型頭痛では、首や肩、頭の周囲の筋肉に痛みや圧痛を伴うことがあります。
- 片頭痛でも首や肩のこりを感じる場合があり、肩こりだけで頭痛の原因を判断することはできません。
- 頭痛を繰り返す場合は、医療機関で頭痛の種類を確認することが大切です。
- 身体の動きや睡眠、仕事中の過ごし方など、生活習慣を見直すことも役立つ場合があります。
もし現在、肩こりとともに頭痛を繰り返している場合は、
一度、脳神経内科や頭痛外来などで相談してみてください。
そのうえで、
「首や肩に負担がかかりやすい理由を知りたい」
「自分に合った身体のケアや運動を知りたい」
「肩こりへの不安を減らし、日常生活を快適に過ごしたい」
とお考えの方は、
当院でも身体の動きや日常生活での負担についてご相談いただけます。
その場の不調だけではなく、これからも自分らしく、家族や大切な人との時間を楽しめる身体づくりを、一緒に考えていきましょう。
※本記事は一般的な健康情報を提供するものであり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。頭痛が繰り返される場合や、今までにない頭痛がある場合は、医療機関での診察を受けてください。
