「娘と一緒に走れない」状態から、ランニングを楽しめる身体へ

「腰が痛いけれど、仕事はできているから大丈夫」
「少し股関節が気になるけれど、生活にはそこまで困っていない」
このように、身体に違和感があっても、日常生活に大きな支障が出ていないうちは、そのまま過ごしてしまう方も少なくありません。
今回ご紹介するのは、以前から腰痛を感じながらも、「まだ大丈夫」と身体の不調を深く考えずに過ごしていた40代後半の女性です。
しかし、ある日仕事中にしゃがんだ際、股関節の痛みと腰痛が強くなりました。
さらに娘さんから、「一緒に走ろう」と誘われたことが、大きなきっかけになりました。
「今の身体では、一緒に走ることができない」
「このまま放っておくのではなく、一度きちんと身体を見直したい」
そう思われ、当院へ来院されました。
「仕事はできるから」と、腰痛をそのままにしていました

患者さんは40代後半の女性。
お仕事は立ち仕事が中心です。
以前から腰の痛みや身体の違和感を感じることはありました。
ただ、
「仕事ができないほどではない」
「日常生活にはそこまで支障がない」という状態だったため、特別な対策をすることなく過ごしていました。
身体に多少の痛みがあっても、
「年齢のせいかな」「疲れているだけかな」「休めばそのうち良くなるだろう」と考え、そのままにしてしまうことは珍しくありません。
しかし今回、仕事中にしゃがもうとした際に股関節の痛みが出て、もともとあった腰痛も強くなりました。
そこで初めて、
「身体のことを少し考えないといけない」と感じたそうです。
本当に変わりたいと思ったきっかけは、娘さんの一言でした

そして、身体を変えようと思ったもう一つの大きな理由がありました。
娘さんから、「一緒に走ろう」と誘われたことです。
本当は一緒に走りたい。
一緒に身体を動かして楽しみたい。
しかし、今の身体では、腰や股関節が心配で走ることができない。
この経験から、「痛みを我慢しながら生活できればいい」ではなく、
「娘と一緒に走れる身体にしたい」という明確な目標ができました。
当院でも、この方にとってのゴールを「腰痛をなくすこと」だけには設定しませんでした。
目指したのは、
腰や股関節を気にすることなく、自分がやりたい運動や生活を楽しめる身体をつくること。
そのために、身体の状態を一つずつ確認していきました。
腰や股関節が痛いからといって、「硬い」だけとは限りません

身体を確認していく中で、今回大きな課題の一つと考えたのは、単純な柔軟性の問題だけではありませんでした。
もちろん、動きにくくなっている関節や筋肉の硬さはありました。
しかし、それと同時に、
体幹を中心に身体を支える力や、普段の身体の使い方
にも着目する必要があると考えました。
長年繰り返している動作は、自分にとって「普通」になっています。
立ち方・しゃがみ方・歩き方・身体を曲げるときの使い方・仕事中の姿勢…
本人にとっては自然に行っている動きでも、
身体の一部に負担がかかる使い方になっていることがあります。
今回の方も、しゃがむ動作などを確認していくと、腰や股関節に負担が集中しやすい身体の使い方がみられました。
そのため、
「痛い場所をほぐすだけでは十分ではない」と考えました。
「ほぐす」だけでなく「動ける・支えられる」身体へ

施術では、まず動きにくくなっている部分を整えながら、少しずつ身体の動きを取り戻していきました。
しかし、それだけではありません。
今回大切にしたのが、「ほぐす」と「使う」を両方行うことです。
硬くなっている部分に柔軟性を出し、今まで動きにくかった関節が動きやすい状態をつくる。
そして、その動きを日常生活の中で使えるように、体幹や股関節まわりを中心としたトレーニングも取り入れました。
言い換えると、緩めるだけではなく、必要なところは鍛えて支えられる身体にしていくという考え方です。
関節が動くようになっても、その状態を自分の身体で支えられなければ、日常の中でまた負担が偏ってしまうことがあります。
そのため、整体によって身体を整えることと同時に、
整った身体を自分で扱えるようにしていくことを大切にしました。
長年の「身体の癖」を変えるのは簡単ではありませんでした

もちろん、最初からすべてが順調に変わったわけではありません。
特に苦労したのは、今まで当たり前になっていた身体の使い方を変えることでした。
長年繰り返してきた動作は、自分では意識していなくても身体に定着しています。
そのため、新しい身体の使い方を覚えようとしても、
「頭では分かっているけれど、身体がうまく動かない」ということもあります。
そこで、一度で完璧に変えようとはせず、施術とトレーニングを重ねながら少しずつ身体を更新していきました。
柔軟性が出てくると、これまで動きにくかった関節にも少しずつ動きが出てきました。
そして動ける範囲が広がったところで、その動きをトレーニングによって身体に覚えさせていきました。
こうした積み重ねによって、身体の機能にも少しずつ変化がみられるようになりました。
現在は腰痛・股関節痛をほとんど気にせずランニングへ

現在は、
腰痛や股関節痛を感じることはほとんどなくなり、
月の半分ほどはランニングを楽しめるようになっています。
初の来院時には、「今の身体では娘と一緒に走れない」という状態でした。
しかし今では、娘さんと一緒に身体を動かすだけでなく、
娘さん以上に身体を動かすほど、ランニングを楽しめるようになりました。
以前は腰や股関節のことを考えながら生活していた方が、今では毎月走ることを楽しみに生活されています。
身体を動かすことそのものが、生活の楽しみの一つになりました。
現在は月1回の通院で、身体の状態を確認しながらメンテナンスを続けています。
「痛みがあるけれど生活できる」状態こそ、身体を見直すきっかけに

今回お伝えしたいのは、
「まだ生活できているから大丈夫」と、身体からのサインを無視し続けなくてもよいということです。
もちろん、少し腰が痛いからといって、必ず大きな問題につながるわけではありません。
しかし、
「いつも同じ場所が痛くなる」
「しゃがむと股関節が気になる」
「腰が心配で運動を避けている」
「やってみたいことがあるけれど、身体を理由に諦めている」のであれば、一度自分の身体を見直してみる価値はあります。
身体の不調には、柔軟性だけでなく、
普段の身体の使い方
身体を支える力
仕事で繰り返している動作
長年無意識に続けている癖など
こういったことが関係していることもあります。
そして、こうした部分は自分ではなかなか気づけません。
だからこそ当院では、
痛い場所だけを見るのではなく、「なぜその場所に負担がかかっているのか」を身体全体から確認することを大切にしています。
身体が変わると、「できること」も変わっていきます

今回の患者さんにとって最も大きな変化は、「腰痛や股関節痛が軽くなったこと」だけではありません。
以前はできなかった
「娘さんと一緒に身体を動かす」ということができるようになりました。
さらに今では、自分自身がランニングを楽しむようになっています。
身体の状態が変わることで、
「痛いからできない」「怖いからやめておこう」と諦めていたことが、もう一度選択肢に入ることがあります。
私たちが目指しているのは、単純に痛みを軽くすることだけではありません。
自分の身体を理解し、自分で使える身体をつくり、その先にある生活を楽しめるようにすること。
もし今、「多少痛いけれど、まだ大丈夫」と身体の不調をそのままにしているのであれば、
「悪くなってから何とかする」のではなく、これからやりたいことを楽しむために、今の身体を知るという考え方もできます。
「今は支障がないから」で終わらせず、
「これから何をしたいか」から身体を考えてみませんか。
やりたいことを楽しめる身体づくりへの一歩として、まずは現在の身体の状態を見直すことから始めてみてください。
※身体の状態や経過には個人差があり、本記事は一症例をご紹介したものです。同様の結果を保証するものではありません。強い痛み、急激な症状の悪化、発熱、著しい筋力低下、しびれの悪化、排尿・排便の異常などがある場合は、整体よりも先に医療機関へご相談ください。
