
「セルフケアって難しいですか?」
これは、実際に当院でもお客様からいただくことのある質問です。
肩こりや腰痛などの身体の不調を感じたとき、ストレッチや運動などのセルフケアが大切だと聞いたことはありませんか?
最近では、テレビやYouTube、SNSなどでも、さまざまなセルフケアの方法が紹介されています。
しかし、いざ自分で取り組もうとすると、
「どのストレッチをすればいいのかわからない」
「やってみたけれど、正しくできているのか不安」
「仕事や家事で忙しくて、毎日続けられない」
「身体が硬いから、自分には難しそう」
と感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、健康のために何かを始めようと思っても、何から始めればよいかわからないことは珍しくありません。
しかし、ここで知っていただきたいことがあります。
それは、セルフケアは必ずしも難しい運動や特別な知識が必要なものではないということです。
むしろ、大切なのは今の身体の状態を理解し、
日常生活の中で無理なくできることから始めることです。
今回は、セルフケアとは何か、なぜ続けることが難しく感じられるのか、今日からできる簡単な方法、そして自分に合ったセルフケアの選び方について、わかりやすく解説します。
1. 結論|セルフケアは難しく考える必要はありません

まず結論からお伝えします。
セルフケアは、必ずしも難しいものではありません。
大切なのは、自分の身体に合った方法を知り、無理なく生活に取り入れることです。
例えば、次のような行動もセルフケアの一つです。
- 長時間座っていたら、一度立ち上がって身体を動かす
- 肩が疲れたと感じたら、無理のない範囲で肩を回す
- 睡眠時間が不足していたら、休息を確保する
- 運動不足を感じたら、短時間の散歩から始める
- いつもと違う症状が出たら、無理せず医療機関へ相談する
特別な道具を用意したり、毎日長時間トレーニングしたりすることだけがセルフケアではありません。
世界保健機関(WHO)では、セルフケアを、自分自身や家族、地域社会が健康を維持・増進し、病気を予防し、病気に対処するための能力として捉えています。
その中には、身体活動や食事、睡眠などの健康的な生活習慣だけでなく、必要なときに医療を利用することも含まれています。
つまり、セルフケアとは、単にストレッチや運動をすることではありません。
自分の身体の状態を理解し、今の自分に必要な行動を選ぶことなのです。
2. そもそもセルフケアとは何をすること?

「セルフケア」と聞くと、皆さんはどのようなことを思い浮かべますか?
ストレッチやマッサージを思い浮かべる方も多いかもしれません。
もちろん、それらも身体の状態によっては役立つ方法です。
しかし、セルフケアには、もっと幅広い意味があります。
例えば、
・健康的な食事を心がけること。
・十分な睡眠を取ること。
・日常生活の中で身体を動かすこと。
・症状が出たときに、無理をせず適切な対応を選ぶこと。
これらもセルフケアに含まれます。
では、なぜこうした行動が大切なのでしょうか?
それは、私たちの身体が、施術や運動をしている時間だけでなく、毎日の生活の影響も受けているからです。
例えば、整体院で身体を整えてもらったあとに、毎日長時間座り続け、睡眠や運動が不足していたとします。
その場合、肩こりや腰痛などの不調に関係する生活上の要素が、引き続き残っている可能性があります。
反対に、日常生活の中で適度に身体を動かしたり、休息を取ったりする習慣を取り入れることで、身体機能や健康状態の維持に役立つ場合があります。
ただし、どのようなセルフケアが適切かは、身体の状態や病気の有無によって異なります。
だからこそ、単に「健康に良さそうなこと」を増やすのではなく、
今の自分に必要なことを見つけることが重要なのです。
3. セルフケアが難しく感じられる3つの理由

セルフケアは、必ずしも難しいものではありません。
しかし、続けることや、自分に合った方法を選ぶことが難しい場合もあります。
その理由として、代表的な3つを紹介します。
① 情報が多すぎて、何が正しいかわからない
現在は、インターネットで検索すれば、たくさんのストレッチや運動を見つけることができます。
例えば、肩こりの改善方法を検索するだけでも、首のストレッチ、肩甲骨の運動、筋力トレーニングなど、さまざまな方法が紹介されています。
しかし、すべての人に同じ運動が適しているわけではありません。
首の動きに制限がある方もいれば、筋力や運動習慣に課題がある方もいらっしゃいます。
また、肩こりだと思っていても、神経や関節の病気などが関係している場合もあります。
そのため、情報をたくさん集めるだけでは、自分に必要な方法を判断できないこともあります。
② 最初から頑張りすぎてしまう

「健康のために毎日30分運動しよう」
「ストレッチを10種類覚えよう」
「朝も夜もセルフケアをしよう」
このように、最初から多くのことを始めようとすると、続けることが負担になる場合があります。
特に、仕事や家事、子育てなどで忙しい方にとっては、毎日まとまった時間を確保することが難しいかもしれません。
しかし、健康のための運動は、最初から十分な量をこなさなければ意味がないわけではありません。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、個人差を踏まえて運動の量や強度を調整し、今よりも少しでも多く身体を動かすことが基本的な考え方として示されています。
まずは、自分が無理なく取り組めることから始めてみましょう。
③ 身体の変化がわからず、続ける意味を感じにくい
「毎日ストレッチをしているけれど、本当に効果があるのかな?」
「運動を続けているのに、あまり変わらない気がする」
このように感じたことはありませんか?
実際、身体の変化は毎日大きく現れるとは限りません。
また、運動をした直後に痛みが軽くなることと、長期的に身体機能が向上することは、必ずしも同じではありません。
例えば、肩こりのある方が運動を始めた場合、痛みの強さだけでなく、仕事中に肩がつらくなるまでの時間や、日常生活での動きやすさなども確認すると、変化に気づきやすくなります。
何を目的にセルフケアを行い、どのような変化を確認するのか。
これを理解することが、継続するうえで大切なポイントです。
4. 今日からできる!簡単なセルフケア5選
ここからは、日常生活に取り入れやすいセルフケアをご紹介します。
※特別な道具は必要ありません。
ただし、強い痛みやしびれ、筋力低下がある場合は、自己判断で運動せず、医療機関原因を確認することを優先してください。
① 肩回し


両肩に手を置きゆっくり、大きく回します。
自然に呼吸をしながら5〜10回程度を目安にしましょう。
② 背中のストレッチ


片膝を伸ばして座り、背筋を無理なく伸ばした状態から、上半身をゆっくり横へ倒します。それぞれ伸びを感じたところでキープし、深呼吸10回程度を目安に行いましょう。
③ 胸のストレッチ


肘を伸ばし手のひらを上に向けて壁に小指を当てて肩を壁に近づけていきます。
鎖骨あたりに伸びを感じたところでキープし、深呼吸10回程度を目安に行いましょう。
④ 短時間のウォーキング

昼休みや買い物のついでなどに、無理のない時間から歩いてみましょう。
日常の身体活動量を増やし、全身の体力を維持・向上させるための習慣です。
⑤ 睡眠と休息を見直す

就寝前の過ごし方を見直したり、十分な睡眠時間を確保したりすることもセルフケアです。
身体の回復や健康維持を考えるうえで、休息も大切な要素です。
無理にこの5つをすべて行う必要はありません。
例えば、デスクワークが多い方なら、
まずは仕事の合間に肩を動かしたり、立ち上がったりすることから始めてみましょう。
運動不足を感じる方なら、短時間の散歩を取り入れることもよいでしょう。
大切なのは、できることを一つ選び、今の生活に無理なく取り入れることです。
これらは健康的な活動習慣の導入例であり、特定の痛みを必ず改善する方法ではありません。運動中や運動後に症状が悪化する場合は中止し、必要に応じて医療機関へ相談してください。
5. セルフケアは毎日しなければいけないのでしょうか?

「毎日やらないと効果がないんですか?」
これも、セルフケアについてよくいただく疑問の一つです。
結論としては、
すべてのセルフケアを毎日行う必要はありません。
例えば、軽い可動域運動や散歩は日常的に取り入れやすい活動ですが、筋力トレーニングは身体の状態や負荷に応じて休息を組み合わせることが大切です。
厚生労働省では、成人の健康づくりの目安として、
歩行などの身体活動を1日60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことなどを推奨しています。
ただし、これは一般的な健康増進のための目標です。
最初からこの量を達成できなくても、今より少しずつ活動を増やすことに意味があります。
例えば、最初の1週間は次のような目標でも構いません。
| タイミング | セルフケア | 目安 |
|---|---|---|
| 朝 | 肩回し | 1分 |
| 仕事の合間 | 立ち上がって歩く | 1〜2分 |
| 昼休み | 軽い散歩 | 10分 |
| 夜 | 翌日のために休息を確保 | 無理のない範囲 |
もちろん、すべてを行う必要はありません。
まずは一つだけでも、自分の生活に取り入れられることを選んでみましょう。
6. セルフケアを続けるために大切なのは「頑張ること」ではありません

セルフケアを始めても、途中で続かなくなってしまう方は少なくありません。
しかし、続かなかったからといって、自分の意志が弱いと考える必要はありません。
忙しい毎日の中で、新しい習慣を取り入れることは簡単ではないからです。
そこでおすすめしたいのが、すでにある生活習慣とセルフケアを組み合わせることです。
例えば、
- 朝、歯を磨いたあとに肩を5回回す
- 仕事中、飲み物を取りに行くついでに少し歩く
- お風呂のあとに、気持ちのよい範囲で身体を動かす
- 買い物のときに、少し歩く距離を増やしてみる
このように、特別な時間を確保するのではなく、日常生活の一部として取り入れる方法です。
最初から完璧を目指す必要はありません。
忙しい日には休んでも構いませんし、できる日から再開すればよいのです。
大切なのは、続けられなかった日を気にすることよりも、自分が無理なく取り組める方法を見つけることです。
7. 自分に合ったセルフケアを見つけるには、どうすればよいのでしょうか?

ここまで読んでいただいた方の中には、
「簡単な方法があるのはわかったけれど、結局、自分には何が必要なんだろう?」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ここがセルフケアを考える上でとても重要なポイントです。
なぜなら、同じ肩こりや腰痛でも、身体の状態や生活習慣は一人ひとり異なるからです。
例えば、身体を動かす機会が少ない方と、仕事で重たいものを持つことが多い方では、必要な対応が異なる場合があります。
また、関節の動きに制限がある方と、筋力や持久力に課題がある方でも、取り入れる運動は変わってきます。
そこで、まずはご自身の生活や身体の状態を振り返ってみましょう。
自分に合ったセルフケアを考えるチェック
・長時間同じ姿勢で過ごすことが多い
・日常的に身体を動かす機会が少ない
・首・肩・腰などに動かしにくさを感じる
・運動するとすぐ疲れてしまう
・睡眠や休息を十分に取れていない
・セルフケアの方法が多すぎて迷っている
・身体の不調があり、どこまで動かしてよいか不安がある
これらは生活習慣を振り返るためのもので、
病気や身体機能を診断するものではありませんがお身体の状態を確認することにお役立てください。
8. セルフケアの効果は、どのように確認すればよいのでしょうか?

セルフケアを続けるうえでは、自分の身体の変化を知ることも大切です。
例えば、肩こりを感じている方であれば、肩の重さや痛みの強さだけでなく、仕事や家事をどのくらい快適に行えているかを確認してみましょう。
腰痛がある方であれば、座っている時間や歩ける距離なども、変化を知るための参考になります。
| 確認する項目 | 具体的な例 |
|---|---|
| 症状の強さ | 痛みを0〜10で記録する |
| 身体の動き | 首や肩、腰が動かしやすくなったか |
| 日常生活 | 仕事や家事が以前より楽になったか |
| 活動量 | 歩く時間や運動回数が増えたか |
| 継続状況 | 無理なくセルフケアを続けられたか |
例えば、
肩こりの強さが以前と変わらなくても、以前より仕事中に休憩を取れるようになったり、身体を動かす習慣が増えたりしていれば、それも健康づくりに向けた行動の変化です。
反対に、セルフケアを続けても症状が悪化している場合や、日常生活への支障が大きくなっている場合には、方法を見直したり、医学的な評価を受けたりする必要があります。
セルフケアの目的は、毎日決められた運動をこなすことではありません。自分の身体と生活が、どのように変化しているかを知ることです。
9. セルフケアを頑張るより、医療機関へ相談した方がよい場合もあります

セルフケアは健康を維持するための大切な方法ですが、すべての症状を自分で対処できるわけではありません。
例えば、次のような場合には医療機関への相談が必要です。
- 痛みが長期間続いている、または徐々に強くなっている
- 手足のしびれや筋力低下がある
- 関節が赤く腫れたり、熱を持ったりしている
- 発熱や原因不明の体重減少を伴っている
- 身体を動かすことが難しいほど強い痛みがある
特に、突然の片側の麻痺や言葉の異常、胸痛や息苦しさ、排尿・排便障害を伴う腰痛などがある場合には、速やかな救急受診が必要です。
セルフケアは、医療機関での診断や治療に代わるものではありません。
WHOも、セルフケアは医療の代わりではなく、医療を補完するものだと説明しています。
自分でできることを知ることと、専門家に相談するべきタイミングを知ること。その両方が大切なセルフケアです。
10. 当院では「自分で身体を整える力」を身につけることを大切にしています

ここまで、セルフケアについてお伝えしてきました。
当院がセルフケアを大切にしている理由があります。
それは、施術を受けている時間だけでなく、
日常生活でも自分の身体を大切にできるようになっていただきたいからです。
例えば、肩こりや腰痛を繰り返している方に、毎日同じストレッチをお伝えするだけでは、その方に本当に必要なことを十分に考えられているとは限りません。
首や肩の動きに制限がある方もいれば、筋力や持久力に課題がある方もいらっしゃいます。
また、睡眠不足や長時間のデスクワークなど、生活習慣が症状に関係している場合もあります。
そのため、当院では必要に応じて次のような項目を確認しながら、今の身体に必要なことを整理しています。
- 首・肩・腰・股関節などの可動域
- 筋力や身体を支える能力
- 立ち上がりや歩行などの日常動作
- 痛みや不調が現れるタイミング
- 仕事や家事での身体への負担
- 睡眠・栄養・運動などの生活習慣
- 今後できるようになりたいこと
こうした評価をもとに、
一人ひとりに合った施術や運動、生活習慣の見直しを考えていきます。
例えば、肩の動きに制限がある方には、身体の状態に合わせて可動域運動を取り入れることがあります。
一方、筋力や持久力に課題がある場合は、無理のない負荷から筋力トレーニングを取り入れることもあります。
また、仕事中の負担が大きい方には、休憩の取り方や作業環境などの見直しをお伝えすることもあります。
ただし、整体によってすべての痛みや身体の不調が改善するわけではありません。
医学的な診断や治療が必要な場合には、医療機関での対応を優先していただきます。
当院が目指しているのは、整体院に通い続けなければ身体を維持できない状態ではありません。
自分の身体に何が必要なのかを理解し、不調を感じたときにも適切な対応を選べるようになることです。
「施術を受けて身体を整えてもらう」ことから、「自分でも身体を大切にできる」ことへ。
そのために、身体の状態を一緒に確認しながら、無理なく続けられるセルフケアを考えていくことを大切にしています。
11. セルフケアの本当の目的は、身体の不調に縛られない生活を送ること

最後に、もう一つ考えていただきたいことがあります。
それは、セルフケアを続ける目的についてです。
例えば、肩こりや腰痛に悩んでいる方の中には、
「仕事が終わる頃には身体がつらくて、何もする気になれない」
「休日も身体を休めることで精一杯になってしまう」
「家族と出かけたいけれど、また痛くなるのが心配」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、もし身体への不安が少なくなり、
今より快適に動けるようになったら、どのようなことをしたいですか?
・仕事が終わったあとも、家族との会話や食事を楽しむ。
・休日には、家族と一緒に旅行や買い物へ出かける。
・これまで身体の不調が気になって控えていた趣味に、もう一度挑戦してみる。
そんな毎日を想像してみてください。
当院が目指しているのは、
単に身体の柔軟性を高めたり、筋力をつけたりすることだけではありません。
身体の不調や不安に必要以上に縛られず、自分のやりたいことを楽しめることです。
セルフケアは、そのための方法の一つです。
そして、自分自身が健康について考える習慣を持つことは、家族の健康を考えるきっかけにもなります。
例えば、
・休日に家族で散歩をすること。
・家族みんなで食事や睡眠の習慣を見直してみること。
・お互いの体調を気にかけ、必要なときには無理せず休むこと。
そうした日常の小さな行動が、家族で健康を大切にする生活につながっていくかもしれません。
セルフケアは、自分の身体だけでなく、大切な人との時間を守るための習慣にもなります。
難しいことをたくさん覚える必要はありません。
まずは、自分にできる小さなことから始めてみましょう。
12. まとめ|セルフケアは難しくありません。大切なのは自分に合った方法を知ることです
今回の内容を振り返ってみましょう。
- セルフケアは、ストレッチや運動だけでなく、食事・睡眠・休息なども含まれます。
- 必ずしも難しい運動や特別な道具が必要なわけではありません。
- 最初から多くのことを始めず、無理なくできることから取り入れることが大切です。
- 身体の状態によって必要なセルフケアは異なります。
- 痛みや日常生活の変化を確認することで、自分の身体を理解しやすくなります。
- 必要なときに医療機関や専門家へ相談することも、大切なセルフケアです。
もし現在、
「セルフケアを始めたいけれど、何をすればよいかわからない」
「ストレッチをしているけれど、身体の不調を繰り返している」
「自分に合った運動や生活習慣を知りたい」
「仕事や家事、家族との時間をもっと快適に楽しみたい」
とお考えの方は、当院でも身体の状態や生活習慣についてご相談いただけます。
当院では、身体の動きや筋力、日常生活での負担などを確認しながら、一人ひとりに合ったセルフケアを考えるサポートをしています。
「何をすればよいかわからない」から、「自分の身体に必要なことがわかる」へ。
その第一歩として、まずは今の身体の状態を知ることから始めてみませんか?
※本記事は一般的な健康情報を提供するものであり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。痛みやしびれなどが続く場合、症状が悪化する場合には、医療機関へご相談ください。
